絵・間瀬健治

人類の新た価値創造の活路を

人類の新た価値創造の活路を

2018年9月12日創価新報

テーマ世界市民として

「日は東より づ日本の仏法の 月氏 がっし へかへるべき 瑞相 ずいそう なり」(御書589ページ)ーー 日蓮大聖人が示された「仏法西還」の法理を、学会は現実の地球で厳然と証明してきた。この道を開いてくださったのは、東洋広布を叫び、「地球民族主義」を師子吼された戸田先生であられる。(中略) 「世界広宣流布新時代」の躍進といっても、全ては、一人の一歩から始まる。自らが一人立ち、一人と語り、一人を励まし、一人の心に希望の火を灯すことからはじまる。

「世界市民」といっても、わが家庭、わが職場、わが地域から出発する以外にない。 ここに、着実にして、確実なる変革への一歩があることを、改めて確認し合いたい。今、自分がいるところで、信念と情熱と希望に燃えて、立ち上がっていくことだ。自分自身が生まれ変わったように生き生きと進んでいくところから、わが組織も、わが地域も、新しい躍進が始まる。

人には、さまざまな違いがある。多様である。しかし、その差異を超えた共通項がある。それは、皆がこの地球に住む、同じ人間であるということだ。(中略) 対話には、忍耐粘り強さ、英知、確認が求められる。また、対話を通して、人格や思想、信念に触れ、新し智慧、発想などを吸収することもできる。対話は人間を高める直道なんだよ。

真の世界市民とは、いずこにあろうとも、自分がいるその場所で自分らしく輝き、周囲に希望と平和の春を作り出していく人ではないでしょうか。 自然災害が打ち続き、紛争の絶えない国際社会だからこそ、平和のフォートレスで世界市民の友情を結んできた皆さんは、この連帯を、いやまして賢く深く大らかに広げ、そして平和創造の道を、明るく誠実に忍耐強く開いていってください。

普賢菩薩の「普」とは、”あまねし”と読む。普遍性のある「”不変の真理”(不変真如の理)」を意味すると「御義口伝」には説かれている。(中略) 世界への広宣流布には、”英知の力”が不可欠である。普遍性のある哲理と、豊かな智慧の両方があって初めて多種多様な民族、歴史、伝統をもつ世界の人々の心をとらえることができる。また、あたたかい慈愛、人間性あふれる行動があってこそ「菩薩」の働きとなる。

仏法は、人間の「一念」に光を当てます。相手の「境涯」を見つめます。人種や民族、学歴や肩書など、あらゆる差異を超え、「生命」という最も普遍的な大地に拠って立ちます。それゆえに、狭い通念や偏見に囚われず、大胆かつ率直に、心と心、生命と生命を結び合いながら、人種の新たな価値創造の活路を開いていけるのです。 「仏法に国境はない」--これが恩師の叫びでした。私はその直弟子として、世界を舞台に、人間主義の対話のうねりを起こしてきました。 動くことです。語ることです。