各段の趣旨
第一段
御書17ぺージ1行目から14行目
相次いで起こる天災や疫病。なすすべもなく人々が苦しんむ世の中を客は嘆き、その原因がどこのあるのかと主人に尋ねる。
第二段
同ページ15行目から20ページ13行目
先の答えに対する根拠を求めた客に対して、主人は四経(金光明経、大集経、仁王経、薬師経)を引いて説明する。
主人は、世の中の人が皆、正法に背き悪法を信じているために、国土を守護すべき善神が去り、その後に悪鬼、魔人が入り、それが災難を引き起こしているのであると「災難の根源」を明かし、「神天上の法門」を説く。
第三段
同20ページ14行目から21ページ16行目
客が、当時の仏教が隆盛する姿を示して反論する。主人は、当時の僧侶は実は、正法に背く悪侶であることを、経文を挙げながら示していく。
第四段
同21ページ17行目から24ページ4行目
悪侶とは誰のことを指しているのか、と客が問う。主人は、法然を名指しし、法然の著した「選択集」こそが、正法誹謗の邪法であることを明らかににしていく。
第五段
同24ページ5行目から25ページ18行目
法然を悪侶であるとした主人に対し、客は憤る。”法然の念仏も釈尊の経典から生まれたものに変わりはなく、主人こそ釈尊に背いている”と指摘し、帰ろうとする。
対して主人は笑みを浮かべて客をとどめ、まず、仮の教えを尊ぶ誤りを指摘。中国と日本の例を減少として挙げ、法然の法華経誹謗の罪を説いていく。
第六段
同26ページ1行目から12行目
客は主人の言葉を聞き、少し態度を和らげる。しかし、これまで高僧が多くいたたが、念仏を禁じる説を誰も言い出しことはなく、低い身分の主人がそう言うのは僭越だと語る。主人は謗法呵責の教えを悟り、過去に念仏が禁止された例を挙げる。
第七段
同26ページ13行目から30ページ7行目
客が災難を治める具体的な方法を問う。主人は、涅槃経・仁王経等を挙げながら、謗法の人を戒めて、正法を行じる人を重んじれば、国家は安穏になると述べ、国中の謗法を断つように勧める。
第八段
同30ページ8行目から18行目
”謗法の輩を断ぜよ”との主人の言葉に客は、斬罪は仏法の教えに反しないかと問う。
主人は、涅槃経等では斬罪が説かれているが、それは釈尊以前の事例であり、釈尊以後は、謗法への布施を止めることがそれに通じると述べる。
第九段
同31ぺージ1行目から32ページ17行目
これまでの疑いや迷いが晴れた客は、主人が言ったとおりに謗法に対する供養を止め、正法を行じる僧を重んじいていくの決意を表明する。主人はその申し出を喜んだ上で、七難のうち、まだ現実のものとなっていない他国侵逼難、自界叛逆難の二難が起こらないように、速やかにその決意を実行するよう訴える。
第十段
同32ページ18行目から33ページ4行目
客は自らの謗法を速やかに改めることを決意するとともに、自分と同じように邪義に惑わされている世の多くの人々を、覚醒させる実践に励むことを誓って本章は終わる